2005年12月10日

パーソナルスペース 1 【満員電車】

人間にはパーソナルスペースというものがあるそうだ。
ある一定の距離以内に入られると不快に感じるそう。

親しい間柄=80cm

顔見知り程度=120cm

他人同士=300cm

とか。

では、なぜ満員電車の中で、あれだけ密集していても
平気でいられるのだろうか。

パーソナルスペース 1 【満員電車】

なんてふと考えていた、そんな飲み会からの帰り道。

今日は金曜日。
終電2本前のこの電車は、毎週末不完全燃焼の欲望をぎゅうぎゅうに詰めて
郊外へと走っている。
赤ら顔の老若男女と、酒臭い呼気と、汚物のすえた臭いが充満したこの電車。
今の僕の身体の構成に、限りなく近い。

ドアに押し付けられながら窓の外を見ても延々たる闇。
メトロは僕らに外界を見る余裕さえ与えてはくれない。

次の駅に着くと、同じようなステータスの人々が更に乗り込んでくる。
もうスペースなんてないよ、と思っていたこの車両も、詰めあえばまだまだ
キャパシティは広がるもんだ。

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「ムサーシー!!」

息苦しい状態、頭上から場違いな声が聞こえた。
見上げると、そこに見知った顔があった。

ヴィンスキー。
ロシア系英国人。
酔いが70%くらい醒めた。

コイツは、高校時代の英語教師で、そして

僕の恋敵だった。

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「ムサーシー、くぁwせdrftgyふじこlp・・・・・」

さっきから、僕のツムジめがけて英語と日本語が混じった訳のわからない
言語を投げかけてくる大男。
190cmはあろうかという彼の胸板に僕は押し付けられたまま、上を向くことすら
叶わず、ただひたすらその声を聞いていた。

週末の満員電車とはいえ、それだけの大男が大声でよくわからないことを
話していれば目立つもので、だんだんと辺りが静かになり、ヴィンスキーだけが
ひとり話し続けるという事態に陥った。

・・・逃げたい。ここからすぐにでも。


本編もよろしく

ランキングくりっくよろしくちゃん。


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Posted by miya/みや at 23:59│Comments(1)2005年12月NW
この記事へのコメント
他人同士=300cm

顔見知り程度=120cm

親しい間柄=80cm

僕とMiyaの距離=Priceless

とゆーわけでひさびさ!!
かつ初コメント!!

おいおいすごいねこの怪しさ。

ぜひぜひ今後とも訪問させてもらいます。
Posted by 板 at 2006年01月22日 04:34
 
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